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国土交通大臣表彰を受賞 ㈱ワコー 浦上正剛社長

 このほど国土交通大臣表彰を受賞した㈱ワコーの浦上正剛社長。測量業に精励し地方業界の発展に寄与した功績を称えられた。(一社)熊本県測量設計コンサルタンツ協会の副会長として責務を果たしながら、課題解消に突き進む姿が受賞の重さを物語る。穏やかな表情からは、そんな姿を見ることはできないが、業界に対する想いは言葉の端々から伝わってくる。


Profile

うらかみ せいごう
平成21年㈱ワコー代表取締役社長に就任。同年(一社) 熊本県測量設計コンサルタンツ協会監事、22年理事、23年から副会長。東京農業大学卒。64歳

 熊本地震の復旧・復興では、協会幹部として迅速な対応で業界を牽引した。ただ、現行の災害復旧が原則現状復旧であることに強い不安を感じている。度重なる大規模災害に対しては、プロジェクトの川上にいる立場から抜本的なインフラ整備の必要性を訴える。

「日本は毎年、どこかで大きな災害が発生しています。これまで経験したことがない豪雨により至る所で被災しているのが現状です。50年、100年と長いスパンで見た時に、小手先の復旧ではダメなんです。将来を見据えて測量、設計することが非常に重要になってくる。我々が測量・設計したものが形となって現れるんですから。川上にいるということは、それだけ責任があるということです」

 浦上社長は、珍しい経歴を持つ。学生時代に専攻したのは、人と自然が共生する快適な環境を美しくデザインして創り出す造園学。卒業して東京の造園会社で働き、設計しながら植樹などに従事した。帰郷して㈱ワコー創業者の父を手伝う形で十数年間、測量・設計技術者として修業。造園の知識は、都市計画、公園、道路、河川と幅広く生かされることになる。

 

「菊水地区の古代の森にある公園づくりにも携わりました。公園づくりの基本は、樹木の配置の仕方など、日本庭園がベースとなります。今やインフラの整備では、環境に配慮することが必須条件です。都市計画の考え方にもマッチしていると言えるでしょう。今でも大手コンサルで技術士として活躍した大学の先輩の力を借りて、環境を考えたインフラ整備について学んでいます」

 

 

熊本県土木部を訪れ、宮部静夫部長に受賞を報告した

  • 熊本県土木部を訪れ、宮部静夫部長に受賞を報告した

 i-Construction、働き方改革と業界の対応も目白押し。そうした中でも人材の育成・確保は避けては通れない重要な側面を持つ。いわば建設コンサルタントにとっては生命線といえるもので、その対応如何では、会社の存続にも影響するという。

 

「コンスタントに技術者を育成・確保していくことは我々の務めでもあります。今年は熊本工業高校から2人を受け入れることができました。そうした若い人を一流の技術者に育てていくことも重要です。県内では今、技術士やRCCMといった管理技術者の養成が急務となっています。協会員には〝有資格者がいないと淘汰されますよ〟と訴えているところです」

 

 

協会幹部として様々な場面で活躍する

  • 協会幹部として様々な場面で活躍する

 会社は今年で創業53年に突入した。平成29年1月に熊本県から優良委託業務で表彰されるなど、技術力向上に向けた成果が形となった。29年10月には働きやすい職場に贈られるブライト企業に認定。地場企業として前向きに、そして着実に歩み続けている。

 

「今後私が目指しているのは、技術者を育てることはもちろんですが、ノウハウが生かせる組織づくりでしょうか。幅広い分野で業務を展開したいと思っています。まちづくりを提案できるような企業に育ってほしいと願っています」